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日々考えている事とか考えていない事とか。 各種ネタバレ取り揃えております。 人間人間3、刀語十二巻まで読了。
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銀魂より攘夷組。

勝率を教えろ、と突然言われた。

「明日なら八割近くこちらに分があるぞ」
「……違ェよ」

ち、と舌打ちが聞こえる。
わざと外した回答に感づかれたらしかった。

「何時終わる」
「さあな」

見上げた空は既に暗い。
どんよりとした雲の立ち込める、今日の戦場をふと思い出した。
その雲が嫌であの男は宇宙に出たのだろうか、と思ってもいない事を考える。

「お前も出るか、銀時」
「……お前なあ」

無駄だってわかってんじゃねえのか、と。
わからない、と返答する。

わかってなどいない。
後一歩でわかりそうな予感もするが、わからない。
ただ、惰性のように、現状を維持し続ける。

「お前は、半端なんだよ」
「貴様に言われたくない」

漠然とした言葉の応酬で、しかしそれ以上に求めては居ない。


* * * * *


勝てるわけがない、と思った。
それは不謹慎で、しかし当然の結論である。
あいつはとっくに知っていた、と一人の男の顔を浮かべる。
もしかしたら自分もとっくに知っていたのかも知れないし、誰も彼もが気付いているのかもしれない。

目の前にいる男は、別に出て行っても責めないぞ、と言う。
ただし怒るがな、と冗談のように付け加えて。

「半端だよな」

半端に知恵が回り、半端に力があるからこうなるのだ、と只管に思う。

例えば空に出たあの男のように、割り切れるほどに賢ければ。
例えば地に残るあの男のように、考えないほど強くであれば。

何もかも中途なのだ。

例えば自分のように、どうしようもなく馬鹿でどうしようもなく弱ければそれでも良かっただろうに。
しかしこうしている以上自分と相手の違いなど無いに等しい。
貴様に言われたくない、とただの反応が酷く気に障った。
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