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えーっと、試験前二週間になりましたので、更新停滞するよ! というお知らせ。
頑張ってきます。
五万打は試験終わってからという事で一つ!
書きたくなったら出てくるけどね。
では更新停滞前に色々な物を吐き出すべく短文を今から書こうかと思います。
not取り扱いジャンルもお構い無しに書く。
多分、サンホラ、鋼、銀魂、京極、バカノ辺りかな……
という訳で。
その1.サンホラでクロセカ。ニカ様とノアとルキアちゃん。知らない人の方が多い気もしますがキニシナイ。
ノアが好きだ。
気持ち悪いとか散々言われるけどノアが好きだ。
黒い少女はぱらりぱらりとその黒い冊子をめくっていた。
時折目を細め、白い肌に笑みさえ浮かべている。
それはまるで玩具で遊ぶ子供のようであり、価値ある黒の預言書も、そのオリジナルたる彼女にとっては所詮この世界に具現化された一種の概念でしかないのだろう。
インクをこぼしたかのように染められた黒い髪が床をなぞる。
軽く触れ、撫ぜてみると顔も上げずに「やめなさい」と静止された。
「不愉快ですから」
「不愉快か。酷い事を言うねえ」
「不愉快ですよ。その怪しい被り物を脱がせて、髪を引っ張って差し上げれば気持ちがわかるかしら」
「好きにすれば良い。所詮歴史は変わらない」
「貴方の髪の毛程度で変わる歴史なら最初から変わった方がマシというもの。……まあ、それでも」
黒の預言書は改竄を許さないのですが、といつもの台詞を黒い少女は言う。
分厚い歴史書は既に最後まで到達したようで、裏表紙、何も書かれていない黒いページを読み始めた。
「そろそろ終りかね」
「でしょうね。次の歴史の波が近づいています」
「箱舟に乗せたい者はいるか」
暗喩のような直喩のような、寧ろ露骨とも取れる表現に、少女は沈黙する。
歴史が変わるたび、世界が変わるたびに繰り返されている質問。
いつも決まって少女は沈黙して、それから「いいえ」と言うのだった。
そんな物は同じだといわんばかりに、下らないという風に。
少女は沈黙の末「――はい」と答えた。
その返答を幾許かの驚愕で持って迎えながら「誰だね」と尋ねる。
また沈黙があり、それから「ルキア」と冷たい声音で囁かれた。
浮んだのは白い髪、それから意志の強い瞳。
どれも両親譲りの。
珍しい、と思いながらもそれでいいのかも知れないと思う。
書の真理に愛される人間がいることは素晴らしい。
愛から理解が生まれるなどと愚かしくも青臭い言葉を言うつもりはないが、それもまたいいだろう。
「クロニカー?」
タイミングよく入ってきた白い少女に、クロニカは軽く微笑んだ。
少女はこちらを一瞥すると「何で義父がここに居るんだ」と口を尖らせる。
それからまるで守るかのように、黒い少女の前に立つ。
「今から僕がクロニカと遊ぶんだ。義父は出てってよ」
「ああ。わかったよ」
あしらうようにそう言うと、また少しだけ不満そうな顔をされる。
気にせずに黒白の入り混じる部屋を出て、背後に談笑の声をただ聞いていた。