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日々考えている事とか考えていない事とか。 各種ネタバレ取り揃えております。 人間人間3、刀語十二巻まで読了。
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ハガレンからハボック少尉。



ひとごろしのめ、と言う物を自覚したのは、何故だかそんな生臭いものから離れる事を決意した夜の事である。

その日は何だか、熱にうなされるように目が覚めた。
悪夢だとかそういう類の物を見たはずなのだが思い出せず、それは良かったと単に安堵していた夜。
眠る気にもならず、顔でも洗うかと壊れかけた体を引きずり洗面台へと。
それは引きずる、という表現がこの上なく良く似合う、そんな無様な格好だったはずだ。

鏡を見て叫びそうになった。
これ以上の無様を厭い、その声を押しとどめた。

ああ、これか――と上司の言葉を思い出したのを覚えている。

ひとごろし。
人殺し。

自分は、例えば上司のように、虐殺を“する側として”体感した事はない。
虐殺ではなかった。
それは一種の救いではあるような気がする。
自分は、兵器としてではなく、人間として、人間を、殺した。
救いであり、救いだと思いこむ事は一種の断罪である。

虚ろ。
膿みきった。
双眸が淀む。
そこに、くすんだ惨劇を見た。

「俺は人殺し、何だろうな」

突発的にかけた電話の相手は不機嫌そうに相槌を打って、それから当たり前だと言う。
戦場において死ななかった事は既に人殺しと同義ではないのか。
自分が生き残った事で潰えた命があるのではないか。
生を掴む事と死を押し付ける事にどれほどの差異があるというのか。

そんな無茶苦茶な事をただ、考えた。
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