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日々考えている事とか考えていない事とか。 各種ネタバレ取り揃えております。 人間人間3、刀語十二巻まで読了。
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嫌われんかった……!
相変わらず見栄っ張りなので一見普通にしてますが、震える足を袴に制服に隠してるのが私と言う女です。
あの記事はそのうち消します。

今日はアンソロ書き上げたいんだけど、長さはどのぐらいまでokなのかかなりわからない。
持ってるアンソロの小説は大抵二段組みで一ページ四十行ぐらい入ってるんだけどこれぐらいでいいのかな。

まあ何で朝から記事書いてるかって、ちょっと書きたい事が出来たからなのですが。
つづきにおいておきます。化物語ネタで。ただ面白くない。というかあれは原作のレベルが高すぎる。

* * * * *

八九寺は、痛い人を見るような目で僕を見た。
うわあ……小学生にそんな目で見られるとか心外すぎる。
もっとも……今回ばかりは、それも致し方ないのかもしれなかったが。
正直、僕だってこんな事話す奴がいたら八九寺と同じ反応をとる。
自分も信じれていないというのが実際のところだし……メルヘンにも程がある。

八九寺はそれでもしばらく黙ってから、ようやく言った。


「なんというか……メンヘルな話ですね」
「メルヘンじゃないのか!? それともいい間違いにかこつけて僕の精神が病んでいると言いたいのか!」
「失礼、噛みました」
「絶対嘘だ……」
「噛みまみた」
「嘘じゃないっ?」
「彼は見た」
「何を!?」
「夢の世界を」
「お前信じてねえな僕の言ってる事!」


そんなやり取りの後、仕切りなおすように八九寺は再び言った。


「なんというか……メンタルな話ですね」
「やっぱ僕の頭がどうかなったと思ってるだろ!?」
「言い間違えました」
「このタイミングでそれは嘘だ」
「メンタルな問題ですね」
「間違ったのってそこ!?」


しかし話が進まない。仕方がないので、これは僕だけの体験ではない事を説き伏せてみる。
迷い牛な小学生は、それで一応納得してくれたようだった。



「なんというか……メルヘブンな話ですね」
「……くっ……それは違うと断言したいがいまいち間違っていない所が困るっ」
「さしずめ私はドロシーちゃんと言ったところでしょう」
「それは流石に図々しいぜ小学五年生!」
「スノウを譲ってるだけ私の遠慮深さが垣間見えます」
「ドロシーはアニメ版におけるメインヒロインとも呼べる扱いを受けているし尚且つお前の言った名称『メルヘブン』の原作は元々『メル』ですなわちお前はアニメの事を指して喋っていると見て間違いがないっ! その瞬間お前の遠慮深さは消滅する!」
「ありゃりゃぎさんはオタクなんですか?」
「ネタ降ってきたお前に言われたくねえよ! 後僕の名前は阿良々木暦、阿良々木暦だ覚えとけ! 何か萌え系狙って外しちゃったみたいな仇名で呼ぶな!」
「ありゃりゃ。怒らせて仕舞いましたか」
「なんと言う意図的な!」
「そう怒らないで下さい、阿悪々木さん」
「今さり気なくひっくり返しただろう!?」
「『あああぎ』さんと読みます。何かちょっと狂った感じで格好いいですっ」
「ちょっとどころか大分狂ってるよ! お前みたいな奴が子供に悪魔君なんてつけるんだ畜生!」
「怒鳴らないで下さい、阿悪々々木さん」
「悪が増えた!?」
「悪々々木さん」
「原型がねえ! むしろ限界がねえ!」
「悪々々々さん」
「この世には悪しかないっ!?」
「阿良々木さん。貴方が小学生相手にそこまで向きになるとは……見失いましたっ」
「何をだ!」
「貞操をですっ」
「僕のかお前のかそれが問題だ! というか素直に見損なったと言え!」
「無論神原さんの貞操ですっ」
「あいつの貞操とかそもそもねえよ! ていうか八九寺、お前神原と会った事があるのか?」
「一緒に阿良々木さんトークに花を枯らせた仲です」
「せめて咲かせろ!」

と。
本筋からずれまくった会話の応酬をして。


「なんというか……メンドリな話ですね」
「雌鶏!? 卵が生まれるまでの壮絶なドキュメンタリー!? 
 ていうかどんどんメルヘンから離れてます八九寺さんっ!」
「いえ、メンドリームの略です」
「何だその気の抜ける横文字は!」
「直訳は」

八九寺は真剣な顔で言った。

「男達の夢」
「格好いいーっ!?」


お約束三回におまけまでくれた八九寺は、そこでようやく「なんというか……メルヘンな話ですね」と言った。


「まあ確かにメルヘンなんだけどな」
「しかしメルヘン童貞な阿良々木さんなら大丈夫です! ファイトっ!」
「夢見る童貞野郎だったのか僕は!」
「世界中の童貞たちの希望を一身に背負い、アララギコヨミは旅立ったのであった」
「何のプロローグだ!」
「町についたコヨミは、とりあえず近くにある民家に押し入り、宝箱を開けて物色を始めた」
「選ばれし空き巣!? ていうかドラクエ風なのかそのゲームは!」
「『コヨミは女性の下着を発見した!』」
「最悪だー!」
「『装備しますか?』」
「究極の二者択一!?」
「『コヨミは女性の下着を装備した! コヨミの人間としての尊厳ががくっと下がった!』」
「今度はポケモンか! 僕はトレーナーなのか勇者なのかっ!」
「魔法使いです」
「あ、そうなのか?」
「男性は四十路過ぎて童貞だと魔法が使えるようになります」
「僕はまだぴっちぴちの十代だ!」
「な……さば読みすぎですっ!」
「どんな年齢詐称!?」
「しかし『ぴっちぴち』は死語です! 使いたいなら死後の世界に行ってくださいっ」
「死語って死後しか使っちゃ駄目なのか!」
「死後に私語としてしか死語は使用不可ですっ」
「しごしごしごしご訳がわからん!」
「シコシコなんてそんな下品な……! 猥褻物陳列罪ですっおまわりさーん!」
「お前八九寺さっきから気になってたが何処から下ネタ仕入れて来やがった!? お前そんなキャラじゃないだろう! ていうか猥褻物陳列罪は違う!」
「違いませんっ」

八九寺はまっすぐに、まるで名探偵が犯人を指名するかのように、僕の顔を指差した。


「猥褻物なら、そこに」
「こんな酷い侮辱は初めてだ! おい八九寺覚悟しろ!」
「ふっ童貞如きに負ける気はしませんっ」
「お前も処女だろうが勝ち誇るな! ていうか小学生だよなお前!」
「この間神原さんがやってきて教えていってくれましたっ」
「畜生あの後輩なにやってやがる!」


そこで八九寺は、何かに気がついたようだった。


「阿良々木さん。申し訳有りませんが、私はこれで。少し用事がありますので」
「あ、ああ。そうだったのか? 悪かったな、引き止めて」
「いえ、引きとめた時点ではさほど切迫した時間ではありませんでした。それでは」
「ああ、じゃあな」


……結局僕は何をしたんだろう。




* * * * *

……やっぱ化け物無理っぽい。
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