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”それ”を見た時の彼女の戦慄を、表す事はとても出来ない。
そこには頼りになる上官も部下もいない。そこには彼女しか――否。
彼女と敵しか存在はしていなかった。
(……敵襲)
彼女が見たのは、黒き集団の群がる姿。
殺しても殺しても、彼らは止まる所を知らない。
半身を潰してなお動こうともがく姿は、哀れと言うよりは――
(……きもちわるい)
相対する彼女は、叫ぶ。
「……どうして、どうして貴方達は!」
「争う道を選ぶのですか!」
「そんなに弱いくせに!」
「すぐに死んでしまうくせに!」
「私に殺させるんですか!」
「死にたくなんかないくせに!」
「私は」
「私はもう」
「私はもう殺したく何かないのにっ!」
黒き兵士の表情はわからない。
もしかしたら痛みすら感じないのかもしれないその生物に――ぞわ、と寒気が走る。
黒き兵士は言う。
「我々は弱い」
「我々は君に殺される」
「だが我々は戦場に赴く」
「殺されようとも赴かなければならない」
「それは戦士の意地ではない」
「人間の意地でも当然ない」
「ただ生物として」
「守る為に」
「仲間を守る為に」
「女王を守る為に」
「全てを守る為に」
「我々は、死ぬ」
そんなのはおかしい、と。
彼女はついにいう事は出来ず。
ただ、まっすぐに銃口を、黒き兵士に向かって、向けた。
「……さよなら」
引き金を引いた瞬間。
銃口は霧を吹き。
そこにはティッシュに群がる大量の蟻の死体と、疲弊した少女の姿があった。
* * *
……まずね、ティッシュに群がるなっつー話ですよ。
他の物ならまだ理解できるんですが、ティッシュに群がってお前らの腹は満たされるのかと。
そこで私に殺されてたら完全に無駄死じゃねえのかと。
ていうかもう本気で殺すのも嫌なんで勘弁してくれ。
夏になったらテンションあげやがって。
この物語はノンフィクションです。
実際の人物、団体、事件には一切関係ありませんが、書いてある事は脳内では紛れもない事実でした。
悲しいけどこれ戦争なのよね……